つい夢なんか見てしまったから
今日は朝から気が重かった
私とあなたは合わないなんて
ずっとわかっていたのに

暗がりで汗ばんだ肌の感触
未練がましく頬を撫でる手
今の私が欲しいものばかり
都合のいい記憶ばかり

こんにちは
良ければどこか
ディナーでも一緒にどうですか
あからさま
今更どんな
顔して会うつもりなの

あなたはずるいな
あなたはずるいな
いつも通りで
気まずそうに視線を背けてよ
落ち着かない振りをして

いい人から都合のいい人へ
変わっていくのをただ見ていた
追い縋るほど逃げるゲームなんか
するほど暇じゃないのに

ソファーの前
床に脱いだままのシャツ
半年で見え始めた本姓
愛しいとさえ思っていたけど
終わりの言い訳にした

週末は
良ければどこか
二人で出かけたりしませんか
あからさま
今更そんな
言葉に揺れたりはしない

あなたはずるいな
あなたはずるいな
いつもそうなの？
その気にした相手から
どうでもよくなってしまうくせに

あなたはずるいな
あなたはずるいな
いつも通りで
気まずそうに視線を背けてよ
落ち着かない振りをして

惹かれる後ろ髪を振り切って
まだ賑わう街を抜け出した
見慣れた玄関の向こう
暖かいコーヒーを思い描く