途切とぎれ途切とぎれの声こえ
警笛けいてきが鳴なり響ひびく
ノイズの中なか、潜ひそめた
言葉ことばはもう知しっていた

二人ふたり別わかつ窓まどが
閉とざされていく
千切ちぎれそうな糸いとを
眺ながめていた

よろけたまま伸のばした手ては空くうを掻かく
哀あわれむような風かぜの音おと
黙だまり込こんだ君きみの眼めに映うつしたまま
飛とび散ちる 記憶きおくも壊こわしてよ
遠退とおのくほど想おもい出だした
柔やわらかな君きみの解ほどけていく髪かみ

記憶きおくを貸かして 壊こわして

あの日ひは隣となり合あわせ
途切とぎれないで、と
繋つなぎ止とめたイヤホンで
また明日あした、を見送みおくって
同おなじ結末けつまつ 願ねがって
繰くり返かえしてた

二人ふたり写うつす窓まどが
走はしり出だした
掻かき消きえた声こえを
信しんじていた

ふいに降ふり始はじめた雪ゆき
頬ほほで溶とけ、涙なみだ隠かくして

よろけたまま伸のばした手ては空くうを掻かく
哀あわれむような風かぜの音おと
黙だまり込こんだ君きみの眼めに映うつしたまま
飛とび散ちる 記憶きおくも壊こわしてよ
遠退とおのくほど想おもい出だした
柔やわらかな君きみの解ほどけていく髪かみ

記憶きおくを貸かして 壊こわして