あとちょっとだけを繰くり返かえす日々ひびも
これでおしまい もう背伸せのびしない
あなたがくれたあれもこれも
ゴミ袋ぶくろの中なかで眠ねむっている

住すみ慣なれたこの部屋へやは広ひろくなって
失うしなってはまた悔くやむんだどうせ

きっと僕ぼくはあなたの声こえも
忘わすれて日々ひびの海うみを泳およぐけど
瞳ひとみの奥おくにマヌケな鯉こいが溺おぼれている
まだ未熟みじゅくな僕ぼくだけが生いけ簀すの中なか

二人ふたりの意地いじ その眼差まなざし お互たがいの為ための別わかれ話ばなし
言いいたいことは言いえないまんまで言いわなかった所ところに
仕舞しまっておこう 物置ものおきの心こころ

絡からまった長ながい髪かみが排水溝はいすいこうに
そこに確たしかにあったんだ同棲どうせい

時ときが経たてば溶とけてなくなんだ
寝ねぼけ眼まなこのおはようもおやすみも
本当ほんとうは最初さいしょからまな板いたの上うえの恋こい
干上ひあがったベッドに残のこる染しみ

脱ぬぎ散ちらかして重かさなった洗濯物せんたくものの山やまの中なか
隠かくれてたりなんてね
あなたを裏切うらぎるなんてこと
夢ゆめの中なかでもしなかったのに

きっと僕ぼくはあなたの骨ほねも
抜ぬけずに海うみの底そこに沈しずむだろう
形かたちないものを掬すくい上あげて零こぼれた
手ての平ひらには辛からい海水かいすい

きっと僕ぼくはあなたの声こえも
忘わすれて日々ひびの海うみを泳およぐけど
心こころの奥おくに隠かくした想おもいが溢あふれている
いつまで囚とらわれたままでいれるのかな

この恋こいは己おのれの涙なみだに溺おぼれるんだ
もうあなたは割われた泡あわ