カラッ、カラッ、と音立てて
転げ落ちていくあなたのプライドを
そっと拾いあげてみる
ユラッ、ユラッ、と音も無く
瞳の奥で揺れるあなたの灯
優しすぎて何も燃やせないからって
泣かないでいいよ

風当たりが強いね
足が縺れるね
「だいじょぶ」と「だいじょばない」を
いったりきたり

欠如は補われるためにあるんだって
足りない欠片が今日も見つからないだけ

少しのお酒で背筋を伸ばして
声を張った

カラッ、カラッ、と音立てて
転げ落ちていくあなたのプライドを
そっと拾いあげてみる
ユラッ、ユラッ、と音も無く
瞳の奥で揺れるあなたの灯
よかった、まだ消えてない

風当たりが強いね
足が縺れるね
萎れた花のようにあなたは俯いてる

「独りになるべくして今は独りだよ」
私が言われてきた言葉をそっと溢した

「何があっても優しさは殺さないよ」

大粒の雨音が　
言葉になり損ねた嗚咽でさえ
隠そうと地を叩いている
あなたの首を一生懸命締め付けている
あなたをあなた足らしめる全てが
プライドならば
あなたは綺麗だ

あなたの声が届く所にいる
私の声が届く所にいる
今　そばにいるよ　そばにいるよ

カラッ、カラッ、と音立てて
転げ落ちていくあなたのプライドに
そっと口づけをする
ユラッ、ユラッ、と音も無く
瞳の奥で揺れるあなたの灯
ずっと消えないから
泣かないでいい
君は君でいいよ