ラブストーリーにとって、主題歌は命です。この「silent」という企画を考えたとき、最初に頭に浮かんだのが、Official髭男dismでした。藤原さんのあの優しいけどせつない歌声、最高に美しくて最高にせつないメロディー、そしてオリジナリティーあふれる言葉でありつつも、心をぐわっとわしづかみにされて、ぐわんぐわん揺さぶられるような歌詞。このドラマのテーマや世界観を考えたとき、髭男さん以上のアーティストはいないと思いました。どうしても主題歌をお願いしたくて、メンバーの皆さんに直接お会いしてプレゼンをさせていただく機会をレーベルの方に(半ば無理矢理)作っていただきました。魂を込めて書き上げた企画書と、その時点ではまだ確定になっていない人も含めた僕の“夢想キャスト”による人物相関図(結果全員出演して頂けたのですが!)を手に、どうしてヒゲダンさんなのか、どうしてヒゲダンさんじゃなければいけないのかを、汗だくになりながら数時間に渡って夢中で語らせていただきました。藤原さんも、小笹さんも、楢崎さんも、松浦さんも、こちらが恐縮するくらい真剣に話を聞いて下さり、まずそのことに感動したのを今でもよく覚えています。やがて、藤原さんから、もしもやるとしたらどんな曲がいいか、というようなお話しが出てきた時には、(まだお引き受けいただけたわけではないのですが)心の中でこっそりガッツポーズをしました。そして、そこで藤原さんが話して下さった曲の方向性を言葉でお聞きしただけで、その時点で既に“わ、これ、名曲できちゃう”と感じました。数日後、主題歌を作っていただけるという返事をいただいた夜は、まだこの世に生まれてもいない曲を勝手に夢想して一人祝杯を上げました。季節が巡り、秋になった頃、この曲の1コーラスデモが届いた日のことは一生忘れないと思います。“神曲できちゃってるじゃないですか!!”とディレクターの守谷さんに興奮しながら電話しました。象徴的なサビのフレーズ“言葉は雪の結晶”も、Bメロの“伝えたい 伝わらない”も、最初にいただいたデモの時点で、あのメロディーのまま、ありました。よくもここまで見事に、このドラマの世界をメロディーと歌詞で表現してくださっていると、感動を通り越して、驚愕しました。僕たち、スタッフ・キャストみんながこのドラマで描きたいと考えているテーマ、思い、メッセージ…その全てを見事に音楽で表現して下さっている、最高・最強の主題歌だと心の底から思っています。この「Subtitle」は、間違いなく冬のラブソングの定番として未来永劫まで残っていく曲になるでしょう。何年か先にも、この曲を聴いた人の心の中で「silent」のシーンが思い出される、そんなドラマにできたらと強く強く思っています。この曲の歌詞にある通り、“字幕”のように寄り添い合っていけたら幸せです。ヒゲダンの皆さん、最高の主題歌を作って下さり、本当に、本当に、ありがとうございました