ついてないなあ　思い出すだけでもう散々
朝寝坊してから始まった　モヤモヤの連鎖
不貞腐れもするわ

プライベートが欲しいの　もう子供じゃない

別に天蓋付きのベッドとか
起きたらメイドさんがいて欲しいとか望んでない
ただ……

——当てもなく歩いて　模索する自分の価値
いつの間にか　普段は通らない道
ふと目に入った文字

「『入居者大募集中！』
『あなただけのお城で素敵な新生活を』……か。」

“お住いお探しですか！？“

「わっ！」

新しい世界の予感がして
いつだってそうでしょ　未来は突然に
スーツに笑顔を携えて　私を誘う　ドアは開かれた

「あ、えっと、探しているというか……」

“今ご覧になっていた物件、このビルの上の階のお部屋なんです！
もしよかったらお話だけでも、どうぞどうぞ！！！”

「えっと……」

迷い込んだAntique Place　借りてきた猫のように
だって不意に落ちたStory　覚悟はないの
促されて座ったカウンター　資料に目を通せば
いくつかの部屋それぞれに　もう住んでいる人がいるって

——生まれてこの方実家暮らし。
部屋なんて借りたことないけど、バイト代でなんとかやっていけるのかな。
敷金？とかも、よくわからないし、初期費用だって……
でもまぁ、話を聞くだけならタダ、だし？

“それでは実際にお部屋の方、ご案内いたします！”

新しい世界の予感がして……