月が欠けたから
あなたがもう居ないことに気付いて
夜が明けてから
泣き腫らした声を露に隠した

「君がそうなのは　私のせいだね」なんて言ってたね
そうだよ、あなたのせい
でもそれだけじゃない　覚えておいて

ポジティブがネガティブを毀すたび
ゴミ箱に打ち付けて繰り返す
度々、そんな機会すらあなたは
全部奪った

両手にたんと絡みつく
砂鉄のような不快感
虚無の蟲が心を這うのです
あなたがどっかに行くから
未来永劫迷子だわ
どうしてくれるの？
ハッピーヘヴンリーバースデー

未来が砕ける音がした
上からフォークを突き刺した
掛け替えの無い過去を産んだ
ありがとうを言えなかった

剥がれ落ちそうな生活に
あなたが付けた傷跡
錆び付いて二度と消えない

どうして火は灯る
あなたの本意であたしは堕ちた
ほらね、あなたのせい
ただそれだけなのよ　理解した

ポジティブがネガティブを毀すたび
ゴミ箱に打ち付けて繰り返す
度々、そんな機会すらあなたは
全部奪い全部踏みにじった

あたしだと　はやく認めさせてよ
イヤホンの無い片耳貫き
鳴り止まない　あなたのかわいい声
急転直下

あたしは最後まで
鈍いあなたの嗚咽も聞けずに
仕様もない情もない大人でいるの
額縁の中で笑うあなたの大きな目
最悪のさよなら

あ

四畳半と声なき独白
復讐の奴隷なるあたしは
どうせ今日も肉でできてる
あなたが勝手に逝くから
廃人直行、怠惰だわ
なら、どうか、せめて、
真綿のような地獄へ
ハッピーヘヴンリーバースデー