ベランダで煙草たばこを吸すっている
あなたの影かげが涙なみだで滲にじむ
「部屋へやが臭くさくなるのはちょっと嫌いやだから」
下着姿したぎすがたの私わたしに言いう

釣つられて窓まどの外そとに私わたしも出でようとする
「ちょっと待まって、もうじき終おわる」
煙草たばこみたいに私わたしの気持きもちも燃もえ尽つきる
なんてね、そう上手うまくはいかないもの

あとちょっとって言いって
私わたしを期待きたいさせないで
いつまで待まてばいいの
ねぇどう思おもっているの
愛あいは形かたちを変かえて
愛あいで私わたし傷きずついて
あぁもう嫌いやになっちゃうな

ベランダの灰皿はいざらに押おし付つける
私わたしの愛あいもそれに似にている
煙草たばこみたいに私わたしの気持きもちも燃もえ尽つきる
なんてね、そう上手うまくはいかないもの

増ふえてく灰はいと減へっていく愛あい
私わたしのことなんてお構かまいなし
って気きがついたのは遅おそかったし
幸しあわせだったのは昔むかしの話はなし
私わたしの前まえで吸すった煙草たばこ
口くちから吐はいたのは醜みにくい嘘うそ
やっぱりちょっと臭くさかったそれが
宙ちゅうに舞まって私わたしに染しみ付ついて

あとちょっとって言いって
私わたしを期待きたいさせないで
いつまで待まてばいいの
ねぇどう思おもっているの
愛あいは形かたちを変かえて
愛あいで私わたし傷きずついて
あぁもう嫌いやになっちゃうな

ベランダに溜たまる吸すい殻がらの数かずだけ
あなたの気持きもちに私わたし気きづく
ベランダに溜たまる吸すい殻がらの数かずだけ
私わたしの心こころはそれで傷きずつく

無意識むいしきのうちに押おし付つけてた愛あいを
知しらないふりして背せを向むけたあなたの
後あとを追おって真似まねて吸すってみる
煙草たばこの味あじは何なにも感かんじない
いつの間まにか私わたしも吐はく嘘うそ
偽いつわりの愛あいは形かたちを変かえる
「こんなことなら最初さいしょから期待きたいしなきゃよかった」
とか言いっても結局けっきょくそれは染しみついたまま