土塊の中から　見出された者に
与えられた奇跡　此処に啓く
王を讃える譜　刻まれた石碑に
彼方からの嘆き　遠く響く

歪に捻れたお伽話辿る度
古びて途切れた神話達を
塗り替えて

永遠に果てることのない
流転する万物から
君の瞳を彩った歓喜を
今、見せ給えよ
世界という揺籠　そこから溢れ落ちた
涙にしか映せない色
ただ織り込んでいくだけ…タピストリに

艶やかに着飾る　高貴なる刹那の
喜劇を横糸に　通していく
悪夢の纏い付く　崩れゆく久遠の
悲劇を縦糸に　張り詰めてく

語り部の失せた真実さえ遺す為
澱のように沈む幻から
創りだそう

永遠に終わることのない
流転する創造から
手のひらで抄った悲嘆を
さぁ、縫い合わそう
世界という廟所で儚く産まれ落ちた
甘美という熱に浮かされ
この命さえ燃やそう

「我が身は喜びと悲しみの泥の中で足宛く傀儡…」
「否、君は物語の紡ぎ手、美を求めるエピクロス」
「光よ！　貴方は何故、創り出すことを止めないのか」
「影よ！　それは君が求め続ける故、それは君が人たる故」
「願わくば、世界に美しき芸術を与え給え！」

永遠に果てることのない
流転する万物から
神々が望んだ夢想を
今、形にしよう
世界という宮殿、飾るべきタピストリ
終わりのない機織りの系譜を
さぁ、受け継いで繕う…我ら共に