薔薇を絡ませた城館
黝む闇に跫音
生き写しの人形を
凶鐘にて喚び覚ます

Salamander soll glühen,
Undinus sich winden,
顳顬に
Sylphus verschwinden,
Kobold sich mühen.
創紋を――

惨劇の連鎖を　啓け衒学的に
闡明せよ　死者の黙示図を
顫える指先で　帷幕を引いて
誰の声も　届かぬ墓の中へ

消失に喘ぐ鎮魂楽
飾り立てた死の舞踏
人為的な凶災を
幾重もの陥穽が招く

Salamander soll glühen,
Undinus sich winden,
出口なき
Sylphus verschwinden,
Kobold sich mühen.
隧道へ――

熱く瞶める目に　浮かぶ渡鳥
虹を描いた　磔刑の殺意
契約結ぶ口腔に　毒を喰らって
誰一人も　残さず灰の中へ

Salamander soll glühen,
Undinus sich winden,
顳顬に
Sylphus verschwinden,
Kobold sich mühen.
銃弾を――

長き血の怨嗟を　屠る伝道者
嗚呼　生きた儘　棺龕を鎖した
父よ　吾も人の子であるのなら
最期は同じ　土の下で眠ろう