世界でいちばんおひめさま
そういう扱い 心得てよね
その一 いつもと違う髪形に気がつくこと
その二 ちゃんと靴までみること
いいね?
その三 わたしの一言には三つの言葉で
返事すること
わかったら右手がお留守なのを
なんとかして!
べつに
わがままなんて言ってないんだから
キミに心から思って欲しいの
かわいいって
世界でいちばんおひめさま
気がついて ねえねえ
待たせるなんて論外よ
わたしを誰だと思ってるの?
もうなんだか あまいものが食べたい!
いますぐによ
欠点? かわいいの間違いでしょ
文句は許しませんの
あのね、わたしの話ちゃんと聞いてる?
ちょっとぉ……
あ、それとね 白いおうまさん
決まってるでしょ?
迎えに来て
わかったらかしずいて
手を取って「おひめさま」って
べつに
わがままなんて言ってないんだから
でもね
少しくらい叱ってくれたっていいのよ?
世界でわたしだけのおうじさま
気がついて ほらほら
おててが空いてます
無口で無愛想なおうじさま
もう どうして! 気がついてよ早く
ぜったいキミはわかってない!
わかってないわ……
いちごの乗ったショートケーキ
こだわりたまごのとろけるプリン
みんな みんな 我慢します……
わがままな子だとおもわないで
わたしだってやればできるの
あとで後悔するわよ
当然です! だってわたしは
世界で一番おひめさま
ちゃんと見ててよね
どこかに行っちゃうよ?
ふいに抱きしめられた
急に そんな! えっ?
「轢かれる 危ないよ」
そう言ってそっぽ向くキミ
……こっちのが危ないわよ