「もう二人でさ、消えちゃおっか。
私たちのこと誰も知らない場所へ行こう。」
そう言って、良い匂いのする君を抱きしめた
意識に優しく靄をかけてく
病的に口ずさむラブソング
君の隣で揺れる私
ねえ楽しいね幸せだね
大体哀に暮れていたいんだ
全て託したい　まるで風媒花
もうどうなってもいいや
君と一緒ならそらもとべるよ
煙草燻らすヒーロー
猫っ毛揺れてふわふわり
何回でも言うよ
私は君と沈みたいよ
嗚呼このままねえ、痛みもなく
君と一つになって夜の闇に混じりたいな
嗚呼こうして二人は幸福な共犯者となって
徒に夜の帳ふしだらに包まれた

払暁の光射すから
優しく君を揺り起こして目蓋を擦った
ねえ今日はどんな風に愛を確かめよっか？
虚構みたいな怠惰貪って
海風の匂い身体纏って
「パセティックだね」なんて吐露し
どうしても二人離れないね
毎回飽きずにキスをするんだ
不安に駆られ怖くなったら
そうやって延命を祈って守るの
潰えないように
小指絡めてさ子供みたいに約束しよう
制裁は意味を成さない
二人は永遠を手に入れた

嗚呼このまま、ねえ
嗚呼もういっそ、ねえ
死んじゃおっか

嗚呼このままねえ、痛みもなく
君と一つになって夜の闇に混じりたいな
嗚呼こうして二人は幸福な共犯者となって
徒に海の底手を繋ぎ落ちていく

落ちていく