あんたの腹から俺が産まれたっていうことは
おそらく何億分の１かのハズレクジだ
そのクジはもう二度と回せないと知りながら
当たりだと信じ俺を養ってくれた
それを踏みにじるように貴方から争い
仕事よりも無休で不幸にさせたのさ
仇すらも恩で返すぶっ飛んだ優しさを
裏切り突き放し罵声を投げ掛けた
骨の髄までしゃぶりついた母のスネ
「平凡な人生」それが貴方の夢
誰よりも早く起き　誰よりも遅く寝る
頭下げさせた分　頭が上がんねぇ
何かありゃ察知する不可解なテレパシー
親父を黙らせる生粋のバトルMC
この唄で全てをチャラにしてくれ
なんて言わねぇが死ぬ前にこれを届けるぜ

あの日のHERO　あの日のB-BOY
憧れすらも超えられぬ訳
徐々に縮こまる背中
だが誰よりもデカいからさ
甘ったれた俺を手塩にかけた
暇な日でも良いテキトーにかけな
母ちゃん　父ちゃん　感謝してるさ
あんたらがいたから今の俺があんだ

餓鬼のわがままに屈託の無い笑みを
浮かべ相手してた親父が　今日は俯いてる
無愛想な警官と張り詰めた空気
無表情のガラス張りが俺達を遮る
書いてきた絵をガラス越しに渡す
90の巨体が縮こまり涙を流す
5年間帰りを待ち続けた
爺ちゃんの墓に神社のように願った
白球を追いかける俺が夢だって
言ってくれたのに土壇場で全て裏切った
少ない貯金はたき買ってくれたミプロの
グローブは使わず仕舞いで押し入れに
あの日描いた絵は二人のキャッチボール
未だに言葉を投げ返せずにいる
水の泡になったあの思い出も
白霧で割って死ぬ前に乾杯しような

あの日のHERO　あの日のB-BOY
憧れすらも超えられぬ訳
徐々に縮こまる背中
だが誰よりもデカいからさ
甘ったれた俺を手塩にかけた
暇な日でも良いテキトーにかけな
母ちゃん　父ちゃん　感謝してるさ
あんたらがいたから今の俺があんだ

初のプレゼントは俺のCD
未だに一切聴いていないらしい
だけど　実家のラジカセの隣に
歌詞カード　そして老眼鏡見つけたぜ
なぁこれはどう説明してくれる？親父は代行
酔っ払いの相手大丈夫か？
あと金返してくれ　楽にはさせねぇ
元気でいてくれ